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相続の承認と放棄

財産と負債の両方あって、どちらが多いかわからない時は・・・

相続によって相続人に帰属することになるのは、土地や預貯金といった財産プラスの財産だけでなく、被相続人が生前負っていた債務など(マイナス財産)も全て含まれます。被相続人が多額の借金を負っており、他に相続する財産が何もないというときなど、当然に相続人が引き継がなければならないとしたら、それは大変酷な話です。このような時、有効な制度が「限定承認」と「放棄」という制度です。

限定承認

財産と借金などの負債を残して死亡した被相続人がいた場合、その財産と負債の額がはっきりせず、財産の方が多いなら相続はしたいが負債は相続したくない時などに有効なのが、相続した財産の範囲内でのみ負債を相続し、もし余りの財産があれば相続できる「限定承認」という制度です。
実際には、自己のために相続が開始したことを知ってから3ヶ月以内に家庭裁判所に申述をしなければならないことや、その際に財産目録を提出しなければならない点、共同相続人がいる場合は一人からだけではできず全員からしなければならない点など制限があり、その他にも債権者、受遺者に対する公告・催告など煩雑で細かい手続きや義務が生じる為、あまり積極的に利用されている手続きとはいえません。
しかし、借金は多いけれども相続財産の中に、例えば自宅や事業継続のために欠かすことの出来ない財産が含まれる時には、本来であれば競売により売却されるところを、「相続財産の全部または一部について、家庭裁判所が選任した鑑定人の評価に従い価額を弁済することにより、競売を止めることができる(民法932条但書)」という規定を使い、対価を払う必要はあるが、負債を相続することなくその特定財産を取得できるというメリットがあります。
   参考 裁判所ホームページ

相続の放棄

承継する財産が何もなく、あまりに債務の額が多い場合など、相続の放棄をすることによって、全ての財産(プラス・マイナス財産共)を相続しないことができます。この場合、相続人は相続権そのものを放棄することになり、放棄をした人は初めから相続人にならなかったものとみなされます。

〔相続の放棄の方法〕

相続の放棄をするには、相続開始を知った時より3ヶ月以内に、家庭裁判所に相続放棄申述書を提出しなければなりません。この申述書が家庭裁判所で正式に受理されると相続放棄の効力が発生します。
相続放棄がいったん受理されると、詐欺、脅迫などの特別な理由がない限り放棄を撤回できません。
 

〔相続の放棄の効果〕

相続放棄があった場合には、その放棄をした相続人は最初から相続人でなかったとみなされますので、相続放棄者の子や孫に代襲相続は行われず、遺産は、残った相続人で分割することになります。
   
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